不動産の購入を決断し、
売買契約をするときに求められるのが「手付金」
購入するマンションや土地の価格が高額になれば、
手付金も結構な金額になることもしばしばです。
契約のタイミングは申込みから1週間後ということも良くあり、
決断して1週間後にいきなり100万円以上の金額を求められるわけです。
さて、手付金は、基本的に「解約手付」として扱われます。
解約手付は、
買主の場合、放棄することで売買契約を解除できるという性格をもっています。
なので、
手付金を支払った後で購入をキャンセルすると、手付金は返ってきません。
手付金も大金になる場合が多いので、
普通は「もう後戻りはできない」と思うわけです。
そこで、
「本当に買ってこの先大丈夫なんだろうか?」
と思って不安になる人がとても多いのですが・・・
予算が適正かどうかを見てもらいたいと思って、
業者が紹介するFPに相談したものの、
保険屋さんなので「ノー」と言わないことに気づきます。
「あーどうしよう、、、」と思って慌てても、
1週間で安心できる材料が揃うケースはレアでしょう。
つまり、それでは考えるタイミングが遅すぎるのです。
そうならないために、前もって適正予算を把握して欲しいところです。
【申込金について】
契約に先立って、まずは買付が必要です。
色々と探してようやく気に入った物件が見つかったら、
まずは買付の申し込みをするのです。
この買付申し込み、「買う意思があります」という意思表示なので、
実は買付の行為そのものには何の法的拘束力もありません。
他の人に先立って交渉できる程度の性格のものです。
いくらか申込金を求められる場合がありますが、
やっぱりキャンセルしたいと思いなおした場合、
契約前であれば申込金は全額返ってきます。
そんな程度のものなので、
買主の本気度が伝わらない場合は適当にあしらわれ、
他の人の申し込みを許してしまうということもあり得ます。
折角苦労して出会った物件がそうならないためにも、
値引き交渉も含め、仲介業者を通じて本気度を示しておきたいところです。
そのためには、理想の物件に出会ったらすぐに動けるよう、
理想の物件だけでなく予算も把握しておくことが不可欠です。
【手付金について】
手付金の相場は5~10%です。
6,000万円の物件を契約すれば、
手付金は300万円~600万円にもなります。
支払った後に解約すると戻ってきませんから、決心して契約します。
解約すると大損しますので、解約はしないという心理になります。
なので、慣習的に5~10%になっているということもありますが、
実はこの手付金、「減額の交渉が可能」です。
業者からそんなことを言ってくることはまずないので、
多くの人が何の疑問もなく言い値をそのまま支払ってしまいます。
特に中古物件や土地など、売主が個人の場合、
大した交渉もなく簡単に応じてくれることも結構あります。
もちろん買いたい意思がきちんと伝わるよう、
誠意をもって依頼することが必要になるので、
そこをきちんと仲介業者に伝え、上手く言ってもらう必要があります。
売主が業者の場合、手付金の上限は20%と決まっていますが、
下限は決まっておらず、0円でも双方が合意すればOKなのです。
ですので、手元に現金がなくて今後の支払いが心配な場合、
仲介業者に相談の上、10万円にしてもらうことも可能です。
その辺りもしっかりと相談できる業者かどうかも重要だったりします。
ちなみに、新築マンションの場合などは、
契約から入居が1年以上先という場合も多いです。
手付金は頭金に充当されますので、
その間、そのお金は金利も生まない「死んだお金」になってしまいます。
大金の場合はこれがデメリットになりますので、
そういう意味でも手付金の金額を交渉するメリットがあります。
【手付金の保全措置】
この手付金、一定の金額になると保全の義務が生じます。
業者が売主の場合、契約時に手付金を支払った後、
その業者が倒産してしまったら・・・という万が一のケース。
購入した物件が無事に引渡されるかもわからず、
支払った手付金も戻ってこないかもしれません。
このような事態を避けるため、
以下の条件に該当する場合、
手付金には保全措置が求められます。
未完成物件の場合: 売買代金の 5%または1,000万円を超える金額
完成物件の場合 : 売買代金の10%または1,000万円を超える金額
万一の倒産時に手付金が戻るので、
買主にとっては安心ですが、大手の場合倒産のリスクが少ないのも事実。
売主が個人の場合は倒産というケースはレアでしょうが、
事業主で事業が上手くいかず差し押さえられる、なども考えられなくはないので、
そのリスクを承知の上で手付金を交渉するということになります。
そういうことも想定し、信頼できる仲介業者を使いたいところです。
手付金は不動産購入の入り口です。
引き渡しまでは多くのお金が必要になりますので、
全体の資金計画を想定し、しっかりと準備していきたいですね。