都内のマンション、とっても高いですよね。
新築も中古も、とにかく高い状況が続いています。

住宅購入を検討しはじめたとき、住み慣れた今の街で探したいと思う方は多いと思います。

周辺の街並みの雰囲気、使い勝手の良い商店街、職場までの距離など、気に入っている環境であればある程そう思うものです。

小さい子どもがいれば保育園や自治体の補助制度も重要な要素になりますね。
そんなときは、行政区別の助成金や教育環境などもしっかり調べたいところです。

さて、都内に職場があって通勤に便利となると、マンションが選択肢に上がるケースがとても多いですよね。駅から近く、会社まで20~30分の好立地、魅力的です。

ですが、、、です。

高値が続くマンション価格

このところずっと新築マンション価格が上昇していて、もはや住みたいエリアでは買えないなんて状況が続いている訳です。新築が高すぎるとなると中古マンションということで、こちらも値上がりしています。

データを見てみると、2017年の東京23区の新築マンションは平均価格は7,089万円(㎡単価108.3万円)と、7千万円台になっています。70㎡換算にすると、なんと7,581万円です。

直近発表の2018年8月は7,287万円(㎡単価120万円)と、まだ上がっている模様です。
これを70㎡換算にすると、なんと8,400万円にもなってしまう訳です。

【東京23区の新築マンション価格の推移】

23区マンション価格推移

出所:不動産経済研究所

23区の平均年収でも696万円(平成29年度)なので、年収倍率でいうと10.9倍(7,581万円÷696万円)です。

23区の年収倍率は、不動産価格が上がり始める前の2012年頃までは平均8倍強で推移していました。
低金利が値上がり分をある程度吸収しているといっても、11倍というのはやはり高すぎです。

共働きのパワーカップル(夫婦ともに年収700万円以上の世帯)なら買えるでしょうが、そんな世帯は全世帯の0.5%、共働き世帯の中でも1.8%しかありませんので、やっぱり普通は買えません。
(出所:ニッセイ基礎研究所)

新築マンションが余り始めている

ただもう最近はさすがに高すぎるのでどこもかしこも価格が上昇するという状況ではなくなり、一部エリアでは新築マンションの在庫が余ってきてはいます。
溜まった在庫は何かのきっかけで価格下落に向かう圧力になります。不動産は需給で価格が動きますので、潮目の変化も気にしたいところです。

それでもやっぱり利便性が高く、駅距離も近いなど立地が良いとなると、まだまだ高値が続いています。
新築、中古問わず人気エリアはずっと上昇してきています。

最近は、人気のエリアは高すぎるので、比較的手ごろな北側や東側のエリアで購入する世帯が増えていますね。中古マンションの価格をエリアで比較してみると、それが良くわかります。

中古マンションの価格

中古マンションの価格は、2018年8月の東京23区の成約価格はこんな感じです。

  都心3区:㎡単価:119.37万円、70㎡換算価格:8,356万円
  城東  :㎡単価: 59.35万円、70㎡換算価格:4,155万円
  城南  :㎡単価: 81.72万円、70㎡換算価格:5,720万円
  城西  :㎡単価: 87.08万円、70㎡換算価格:6,096万円
  城北  :㎡単価: 67.63万円、70㎡換算価格:4,734万円

 ※都心3区:港、中央、千代田
  城東  :台東、江東、江戸川、隅田、葛飾、足立、荒川
  城南  :品川、大田、目黒、世田谷
  城西  :新宿、渋谷、杉並、中野
  城北  :文京、豊島、北、板橋、練馬

SUUMOやathomeなどのポータルサイトを見ている感覚からすると、もっと高いですよね。
それもそのはず、このデータは駅距離や築年が混在しているのです。10年以内の築浅で駅近、地下鉄やJRの複数利用可能などと絞っていくと価格はもっと高くなるでしょう。

新築でも中古でも、6千万円後半の価格帯に手が届く層というのは、ざっくり世帯年収が1,200万円ぐらいからではないかと思われますが、それでも躊躇してしまう価格であることに違いありません。

超低金利なので「今が買い時です!」と販売業者は言います。
彼らがそう言うのはビジネスですから当然ですが、実は買う方からしても、実は一理あります

2007年に5,000万円のマンションを頭金500万円、4,500万円を金利2.8%(全期間固定)で借りると、繰り上げ返済がない場合は返済総額は7,064万円。
2017年に6,000万円のマンションを頭金500万円、5,500万円を金利1.5%(全期間固定)で借りると、繰り上げ返済がない場合は返済総額は7,073万円。

このとおり、低金利がマンション価格の上昇を吸収しているのです。

もちろん2007年に借りたら途中で低い金利に借り換えたり、繰り上げ返済をしたりして負担金利を下げると思います。それでも買うときに1.3%の金利差で1,000万円も購入予算が上がるんですね。半分ぐらいの人が変動金利で借りているので、実際の返済負担はもっと低くなっていると思います。

よく言われるようにオリンピック前後に価格が下がるのを待つ、という手もありますが、非常に低い金利で全期間固定できる今は魅力的ではあります。
それに、様々な再開発のすすむ都心では、立地の良い場所に建つマンションの資産価値はほとんどオリンピックと関係ないだろうと思います。

マンションは時とともに値下がりする

人気エリアでは築浅の中古物件も売りに出ていることもありますが、新築より高い物件も多いです。
まだまだ強気の価格設定にする売主が多いんですね。高く売れるんだから当然と言えば当然です。

ただ本来、マンションの建物部分は経年劣化によって価値が下がっていきます。年々価格が下がっていくのですが、地価の上昇や土地のブランド価値(立地)が押し上げているのでしょう。

以下はマンション㎡単価の経年による価格の推移(2017年調査)です。

マンション平米単価

出所:東日本不動産流通機構

平均的には、築0~5年で10~15%、築5~10年で20~25%価格が下がっていきます。
そして築20年を過ぎる頃から価格は安定していく傾向にあります。

これを考慮すると、いくらブランド価値が高くても行き過ぎな気はします。ですがそういう価値の高い物件は下落局面にも強いので、結局どう判断して良いかわからず答えが出ない、ということになってしまいます。

マンションを買えるかどうか確認する

ではどう考えるかというと、ポイントは3つ。
・適正な住宅予算の目安を把握する
・借りた後の資金繰りと返済計画を考える
・利用価値(生活面の満足度の大きさ)と資産価値(リセールバリュー)を考える

ということなんですが、ひとつづつ説明していきます。

適正な住宅予算について

予算の目安はだいたい6,500万円とか、100万円単位でOKです。そして、これを把握するのに外せないのがライフプランです。

目安として年収の20~25%など、返済負担率(または返済比率)を使った簡易的な計算方法もありますが、年収は上がっていきますし、支出も増えていきます。あくまでも目安に過ぎません。

子育て世帯は教育費の見込みも不可欠ですし、育休とか時短とかで奥さんの年収減も考慮しなければなりません。どういった進路を希望するかによって変わってきますが、私立大学の学費として18年間で500万円貯めることだけは確保すべきです。子ども1人分で500万円÷18年÷12か月=2.3万円/月ですね。

それから老後のお金も並行して貯めていく必要があります。現在35歳で65歳までの30年間で3,000万円貯めたいなら単純に計算して年間100万円、8.3万円/月の貯蓄が必要です。3,000万円という目標も老後の生活をどう見るかにかかってますし、公的年金の目減りやインフレも考慮すると貯蓄だけでなく資産運用も考えていく必要があります。

このように、買った後も返済負担が重くならず、ゆとりのある暮らしをしていくにはライフプランを想定した予算立てが不可欠です。予算はどこから考えていくかというと、「家計」であり、それに基づくキャッシュフローの予測です。

家計をしっかりと把握し、余裕を持って返済できるようにします。無駄をなくし、使いたいところには惜しみなく使う。そして国や勤務先の制度の保障や積立など有利なものはしっかりと活用する。そんなことの組み合わせで適正な予算が見えてきます。

この辺がしっかりと押さえられていれば、買った後の生活の不安も和らぐというものです。
想定より予算が上がり、少し高くても資産価値が高い物件も視野に入ることもあるんですね。

ただしマンションデベロッパーが紹介する無料のライフプラン相談はお勧めしません。
当然ながら買ってもらうことが目的ですので、買っても問題なく見えるように設計するからです。大抵は保険の営業マンが作るので、不要な保険への加入が前提になっていることも多いです。

自分で作るか、有料(保険などの販売が前提ではないこと)での相談がお勧めです。
マイホーム購入予算診断をしています。

こちらも参考にどうぞ。
住宅資金計画が大切な理由
適正な住宅ローン金額の目安を知る

借りた後の資金繰りと返済計画

ローンの返済計画だけではありません。ローンをどのように返済し、そしてどうお金を貯め、そしてどうお金を増やしていくかを考えるのです。

日本人は借金が嫌いという人が結構多いので、少しお金が溜まったと言って深く考えずに繰上返済を繰り返す人が意外と多いのです。
ですが、しっかりとした返済計画を立てるべきです。

なぜなら、家計の資金繰りをしっかりと考える必要があるのからです。

無理な繰上返済でお金を減らしてしまうと、ほかに回せるお金が減ってしまいます。将来の必要なお金を想定し、きちんと確保したうえで返済していくという事です。これは想像しやすいでしょう。

もう一つ重要なのは、繰上返済というのは「資産運用と同じ」ということです。
繰上返済(期間短縮型)をすると返済期間が短くなり、金利負担が減ります。減った後の残りの返済期間と減った金利負担分を、繰上返済の原資で稼げれば良いのです。

具体的に見てみます。
例えば35年返済、元利均等で金利1.5%で5,000万円借り、購入2年後に300万円繰上返済するとします。
これによって削減できた金利は182万円。
返済期間は31ヶ月短くなって残り365ヶ月(=420ヶ月-24ヶ月-31ヶ月)になります。

これはつまり、手元の300万円を365ヶ月で482万円にするのと同じことなのです。
これを達成するための利回りは、1.57%です。
30年近くあれば1.57%程度で運用することは難しくありません。3%で運用すれば約16年で目標達成です。
手元にある現金は運用することで増やせるので、価値が高いのです。
これをしっかりと踏まえて適切な資金繰りをしつつ、計画的に返済していくのです。

利用価値(生活面の満足度の大きさ)と資産価値(リセールバリュー)を考える

資産価値は、住宅の資産としての側面であり市場での価値、つまりお金に換算できます。
利用価値は、生活するうえでの快適性や満足度といった、市場とは関係がなく個人それぞれが主観的に感じるものです。

資産価値は、売却した場合の想定利益と、貸した場合の想定利回りで決まります。マンションは居住用の「実需」だけでなく「投資」として買われる面があります。数値化して価値を判断することも可能ですが、投資というのは常に「思惑」が価格を左右しますので、評価が難しいところではあります。

こちらもご参考にどうぞ。
住宅の資産価値と住む上での利用価値。どちらを優先すべきか。

最後に、行政区別サポートの情報などです。
SUUMOの「行政区別 子育てサポート&教育環境 徹底リサーチ」
生活ガイド.com(自治体の公共料金や助成金、福祉、教育、環境など)