子どもが産まれたとき、あるいはこれから産まれるというとき。
こどもの将来のために教育費を準備する必要があることを、何となく考えると思います。

でも、定期預金ではほとんど増えないし、勤務先の財形貯蓄でも同じです。

ではと、「学資保険」を考える人も多いのではないでしょうか。
代わりに「低解約返戻金型の終身保険」を検討することも多いでしょう。
どちらも「保険で教育資金を準備する」という同じ目的で使われます。

利率の良かった時代ならまだしも、今は低金利でほとんど増えないのはわかっていても、「定期預金よりはマシ」という考えで始める人もいるでしょう。

でもタイトルどおり、学資保険で教育資金を準備する時代は終わっています。

【学資保険の例】

まず具体的に学資保険を見ていきましょう。

具体的な準備方法としては、たとえば毎月1~2万円程度を積み立てたり、年払いなどで数年~10数年、保険料を払っていきます。

そして、大学入学前に200万円、18歳~22歳まで50万円で合計250万円もらえるなどと設計します。
途中で解約しない限り元本割れはありません。

元本割れがない安心感からか、まずは学資保険を思いつく人が多いです。
ただ、金利が低い今はもらうときのお金もあまり増えません。

具体例を見てみましょう。

「払った保険料に対していくら戻ってくるのか」は、「返戻率」という割合で示されています。

たとえば0歳から9歳まで10年間、年払いで185,080円を払う学資保険。
18歳から22歳までの5年間に毎年40万円、合計200万円をもらいます。
このケースでは、返礼率は108%です。

1,850,800円払って200万円なら、
18年間で約15万円増えたことになります。

【お金の増え方を考えてみる】

15万円も増える!・・・って思うでしょうか?

18年間での話ですので、「15万円しか増えないのか・・・」と思うのが普通ではないでしょうか。

元本が減ってしまうことを避け、安全に増やしたいということであれば、現在、ネット銀行で5年以上預けて金利0.3%程度の定期預金があります。

5年間以上預ける前提で毎年0.3%の金利が付きます。
1,850,800円を18年間預けたら1,953,333円になります。
ここから預金の税金20.315%が引かれ、1,932,503円。学資保険との差は約6.7万円です。

ただ、毎年18万円の積立と、一括で185万円を預けるという違いがあります。
預金の場合、手元にまとまったお金が必要ということになるので、この選択肢は微妙です。

まとまったお金がない場合は、やはり毎年積み立てていく必要があります。

そこで、学資保険を使うことで実際どの程度有利にお金を増やせるのか、判断基準が必要になってきます。

それが、「利回り」です。

【利回りで考える】

利回りというのは、投資した金額(積立額)に対する1年間の平均の収益割合(利息など)のことです。

そう、実はお金が増えていくスピードはこの利回りで決まるのです。

学資保険であっても、返戻率ではなく利回りで判断するのが正解なのです。

保険では、利回りのことを「予定利率」といいます。
この予定利率で契約者に運用利回りを約束しています。
専門的な説明は省きますが、金利が低い今、予定利率もとても低くなっているので、返ってくるお金も少ないのです。

では試算してみましょう。
こどものケガや病気などの保障を考えず、純粋に学資だけで考えます。

先に述べたとおり、残念ながらオススメの学資保険は(今は)存在しません。
相対的に不利な準備方法なので、優先度は低くなってしまいます。

これは、低解約返戻金型の終身保険も同じです。

説明していきますね。

今はとても金利が低いので、利回りも非常に低い状況です。
将来どれぐらいのお金が返ってくるのかを見てみます。

計算の条件は、先ほどと同じです。

0歳から9歳まで10年間、年払いで185,080円を払う学資保険。
18歳から22歳までの5年間に毎年40万円、合計200万円もらって返礼率は108%。

185,080円を10年間積み立てると、1,850,800円です。

その間、たとえば0.5%で運用したとすると、1,902,468円になっています。
その後7年間で200万円にするためには、貯まった190万円を0.63%で運用すればOKです。

もちろん自分ではなく、保険会社が運用します。
ここがミソなのですが、
保険会社が運用しているのにもかかわらず、途中で解約すると損をします。

つまり、実質的にずっと「元本割れ」なんですね。

きちんと運用すれば、
18年間ずっと元本割れということは、ほとんどありません。

せっかくお金を増やそうと思ったのに途中で解約したらマイナス。

契約時はそれで納得しても、途中でお金が必要になることもあるかもしれません。
そうなると結局、現金のままの方が良かったということになってしまいます。

ではそうならないように、どうすれば良いのでしょうか。

【お金の増やし方】

答えは簡単、自分で運用するのです。

自分で毎年1%で10年間運用したらどうなるかを見てみましょう。

185,080円を10年間1%で運用できたら、1,955,710円になります。
195万円を、残り7年間1%で運用すると、2,096,786円になります。

1%なら、自分で運用した方が良さそうです。
でも問題は、「1%での運用ができるかどうか?」ですよね。

実は難しくないのですが、
なぜ難しくないのか、どうすれば良いのかを見る前に運用の仕方を考えてみましょう。

普通は10年間で積立を終わらせることはせずに、18年間ずっと積み立て続けますので、
①18年間で200万円を貯める
②185,080円を18年間積み立て続ける
のどちらかになります。

それぞれを見てみましょう。

①18年間で200万円を貯める
 0.5%で運用するなら、
 8,847円/月、合計1,906,808円の積立で、200万円になります。
 積立元本に対し、+93,192円です。

 1%で運用するなら、
 8,448/月 、合計1,817,182円の積立で、200万円になります。
 積立元本に対し、+182,818円です。

②185,080円を18年間積み立て続ける
 積立元本は3,331,440円になります。

 0.5%で運用したら、3,494,258円になります。(積立元本に対し、+162,818円)
 1%で運用したら、3,445,217円になります。(積立元本に対し、+335,160円)

如何でしょうか。
1%で運用できれば当然お金が増えるので、こちらの方が良いですよね。

【なぜ学資保険をお勧めしないの?】

学資保険は、契約時に運用の利回り(≒返戻率)が固定されます。
金利が低いときに利回りを固定してしまうと、将来金利が上がっても契約時の利回りは低いまま変更はされません

今はこんなに金利が低いですが、将来上がるかもしれません。
18年も先のことですから、十分あり得ると考えた方が自然なのです。

つまり、超低金利の今、低金利で固定される商品は避けた方がよいのです。

金利が上がれば定期預金の金利も上がります。0.3%のネット預金の例を計算しましたが、途中で金利が上がって0.5%、1%になる可能性もあるのです。

定期預金が1%あったら、当然そっちの方が良いですよね。

定期預金はいつでも解約できますし、1年間預けて満期になったとき、ほかの銀行の金利が高かったら預け替えもできます。もちろん元本割れもありません。

でも保険は途中で解約すると損をするので、簡単には移せません。

ちなみに、学資保険は年間最大4万円の所得控除があるので、年末調整などで申告すれば、
所得税・住民税が20%の人なら8,000円、30%の人なら12,000円が還付されます。

これを考慮すると利回りは上がりますが、低い金利を長期間固定してしまうリスクに対して魅力は低いです。かかえるリスクと得られる税金のメリットが釣り合っていません。

これが学資保険をお勧めしない理由です。

ではどのように子どもの教育費を準備するのでしょうか。

【教育費の準備方法】

1%での運用は難しくないというお話をしました。

難しくないのは、「長期・分散・積立」で投資をするからです。
運用先を複数にして資産を分散し、積立をすることで時間を分散するのです。

教育資金は時間をかけて準備していくことが可能なので、コツコツと積み立てていく方法にピッタリなんです。

それに、積立を活用した長期分散投資は、ちゃんと実行すれば誰でもお金を増やすことができる可能性がとても高いのです。

もし途中でお金が必要になったら、解約すると損してしまう保険と違って、すぐに売って現金にすることもできます。全部ではなく一部を売り、残りは運用を継続することもできます。

積立投資は、難しいことはほとんど不要です。
2018年からは積立NISAが始まっていますので、子どもの教育費なら、こちらを活用する方がお勧めです。

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