空前の低金利、住宅ローン減税もある。
住宅購入には追い風です。
でも高い、高過ぎる。

買うなら今買うべきか、それとももう少し待つべきか。悩ましい問題です。

住宅は生涯で一番高い買い物です。
だからこそ失敗したくないし、悩みは尽きません。

でもそもそも買った方が良いのか、それとも賃貸でいたら良いのか。
買った方が良いと主張するのは販売側です。
よくある理由は、
・家賃と同じローンなら自分のものになる家を買った方が良い
・返済が終われば家賃を払い続けるよりトクをする
・空前の低金利でしかもローン減税や補助金がある
・老後に賃貸は借りにくい
などなど。

そして投資目線で考える人は賃貸でOKという答えが多いですが、本質的に答えはありません。
欲しいと思ったら買えば良いのです。

ということで、買う場合に考えたい2つの視点について考えてみます。

それは、「資産価値」と「利用価値」です。

資産価値は、住宅の資産としての側面であり市場での価値、つまりお金に換算できます。
利用価値は、生活するうえでの快適性や満足度といった、市場とは関係がなく個人それぞれが主観的に感じるものです。

まず、資産価値を見ていきましょう。

2010年頃に買った5,000万円のマンションが今は7,000万円。
こんな物件は沢山あります。
この頃に都心や湾岸エリアのマンションを買っていたら大きな含み益が出ている訳です。

2006年~2007年にかけて、投資ファンドによるお金が都市部の一部に集中しました。
これはファンドバブルと呼ばれ、2008年のリーマンショックでバブルがはじけます。
そして2010年を底に徐々に回復に向かい、日銀の金融緩和が低金利をさらに進めます。
不動産価格の上昇と円安に伴う株価の上昇が資産効果をもたらし、潤った資産家のマネーはさらに不動産へと向かいます。
国内の資産家のマネーだけでなく、上海や香港、シンガポールなどと比べて東京の物件が割安だったので海外マネーも入ってきました。
その結果、不動産の価格は力強く上昇を続け、現在に至ります。

このように不動産、特にマンションは「実需」だけでなく「投資」として買われる面があります。
投資ですから、思惑に左右されます。
価格が上がるだろうという思惑が反対に働くと投資マネーは逃げていき、瞬く間に価格は下落していきます。

実は、このようなバブルは過去に数回起きており、日本固有ではなく世界中で見られる現象なのです。日本の場合はおよそ15年周期で起きており、次は見事にオリンピックと一致します。
不動産価格の推移

※6大都市は,東京区部、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸
出所:不動産経済研究所 市街地価格推移

市場にお金が沢山あるときは不動産価格が上昇し、反対にお金が引き上げられると価格は下落します。
2010年頃に住宅を買った人達は、たまたまラッキーだったというだけです。
今はまったく事情が違うので、普通の人が2,000万円も儲かるなんて話は忘れた方が幸せです。
不動産の資産価値は、買った値段がすべてです。
資産価値は、売却した場合の想定利益と、貸した場合の想定利回りで決まるからです。

ラッキーだった人たちも、含み益があるというだけで手元現金が増えたわけではありません。
家賃は住宅価格ほどは上がっていないので、生活上問題がなければ高値の今売却し、賃貸で暮らすということも考えられます。そして価格が下がったらまた買えば良い。

ただし、実際に生活するうえで満足度が高いなら無理に売る必要はありませんが。
資産価値と利用価値をごっちゃにしてはいけませんね。

次は利用価値です。

通勤にも便利、子育て環境も良く、周辺環境も気に入れば生活するうえで快適で満足感が高いと思います。これは住まいを「利用価値」の側面から見たもので、「どの場所で、どんな家に、いつまで住むのか」ということを良く考えることが大事です。
予算には上限がありますから、その範囲で最大限幸せになれる住まいを、優先順位をつけて決めていくのです。

この場合、価格がある程度高い時期に買ってもあまり気にする必要はありません。
売却時の価格の優位性(=資産価値)は忘れた方が良いでしょう。
将来売却で儲かるかもしれないということ(あるいは損失が少なくなること)よりも、今得られる生活の潤いの方がより人生を豊かにしてくれます。

ただし、仕事の都合など売却の可能性があるなら両方考えないといけませんが。

実需を超えて高くなった物件の中には、良質でもともと高い物件も多いと思います。
そういう物件の価格が下がってくると実需から買われるため、ある程度で下げ止まり、一定の価格が維持されるでしょう。そういう物件を待つのも良いかもしれませんね。