住宅ローンを組む際、どのローンを選べばよいか迷いますよね。

金利は返済額に大きな影響を与えますが、金利だけで選んではいけません。どのローンにするかは、金利以外の費用も含めたトータルコストで比較して検討することをお勧めします。

計算に含める費用は以下の3つです。
・事務手数料
・保証料
・団信保険料

金融機関によってはかからない場合がありますが、それは「かからないけどその分金利が少し高い=金利に含まれている」ケースが多いので、合計したコストで比較する必要があるんですね。

では順番に説明していきます。

住宅ローンの諸費用を知ろう

・事務手数料
文字通り、金融機関に支払う手数料で、2つのタイプに分かれます。
定額型と定率型です。

定額型は、借入額に関係なく手数料が一定のタイプです。
借入額に関係なく定額で、32,400円などです。

定率型は、借入額に対して◯%の割合を支払うというタイプです。
2.16%の場合、3,000万円の借入に対して64.8万円です。

3,000万円借りる場合、事務手数料だけを比較すると32,400円<64.8万円と、定額型の方が安くなっています。次の保証料が不要となる一方、事務手数料を取っているのです。

これだけで判断するのではなく、やはりトータルコストを見るのがポイントです。

・保証料
将来もし返せなくなった場合、保証会社が銀行に返済します。
その保証料を借り入れる人が払っていくのです。

フラット35や、一部のネット銀行では保証料は不要となっています。フラット35はその仕組みによって文字通り不要なのですが、ネット銀行などはその分事務手数料が高くなっているケースが多いです。

支払いの方法は2通りあります。
一括現金前払いと、金利に0.2%上乗せして払っていく方法です。
最初に一括して現金で支払う方が、上乗せの場合より安くなります。
できれば現金で一括前払いを選択したいところです。

・団信(団体信用生命保険)
団信は、債務者に万が一のこと(死亡または高度障害)があった場合にローンを返済してくれる保険です。

民間の金融機関の場合、通常は金利に含まれており、加入がマストです。フラット35も団信込みになっていますが、はずすことが可能です。その場合、金利が0.2%下がります。
また、フラット35で特殊な団信を希望する場合は、以下の金利になります。

・新機構団信(デュエット(夫婦連生団信)) 新機構団信付き金利+0.18%
・新3大疾病付機構団信           新機構団信付き金利+0.24%

団信については、特約をつけることで色々な保障がつくようになりました。
団信の特約を勧められたんですが、どうですか?

トータルコストを試算してみる

それでは実際にトータルコストを計算してみましょう。
借入額3,000万、35年返済、元利均等返済、変動金利(金利が変わらないとして試算)
金利などはすべて2018.5現在の数字です。

ローン1(三井住友信託銀行)
 金利0.525%、事務手数料:定額型32,400円、保証料(一括前払い)、団信:金利に含む
 借入元金+金利+事務手数料+保証料+団信=3,000万円+284.72万円+3.24万円+61.83万円+0=3,349.79万円

ローン2(ソニー銀行)
 金利0.457%、事務手数料:定率型2.16%、保証料0、団信:金利に含む
 借入元金+金利+事務手数料+保証料+団信=3,000万円+246.89万円+64.8万円+0+0=3,311.69万円

この試算では、ローン2のトータルコストが38.1万円少なくなっています。

保証料と事務手数料がほとんど変わりませんが、金利差の0.068%(37.83万円)が大きいことが影響しています。ただし、変動金利は完済まで金利負担がわかりませんので、あくまで借入当初の金利が続いたと仮定した場合の前提です。

また、将来繰上返済をすると未経過分の保証料はいくらか返ってきます。
(「いくらか」というのは、減額されるからです。)
一方、事務手数料(と金利上乗せした場合の保証料)は返ってきません。

事務手数料は、同じ銀行で定額と定率両方を用意しているところも結構あります。
その場合も、トータルコストで計算すればどっちが得か簡単にわかりますね。

今度はフラット35で比較してみましょう。
借入額3,000万、35年返済、元利均等返済

ローン3(みずほ銀行、手数料定額型)
 金利1.47%、事務手数料:定額型32,400円、保証料0、団信0(金英に含む)
 借入元金+金利+事務手数料+保証料+団信=3,000万円+839.43万円+3.24万円+0+0=3,842.67万円

ローン4(みずほ銀行、手数料定率型)
 金利1.35%、事務手数料:定率型1.026%、保証料0、団信0(金利に含む)
 借入元金+金利+事務手数料+保証料+団信=3,000万円+766.01万円+30.78万円+0+0=3,796.79万円

この試算では、ローン4のトータルコストが45.88万円少なくなっています。
この比較では、事務手数料は最優遇の料率(割引プラン)を使っています。最大1.836%で55.08万円になりますが、その場合でもローン4の方が21.58万円安くなるので、0.12%の金利差がコストを大きく左右している結果となりました。

便利なシミュレーションサイトがあります

最後に便利なサイトをご紹介します。
実は、このトータルコストは金利に置き換えて計算することができます。APR(年換算利回り)と言い、実質的なコストを把握するのに便利な指標です。

フラット35シミュレーションサイト
http://www.simulation.jhf.go.jp/type/simulation/hikaku/openPage.do

「試算するプランの数」で2つを選ぶと、2つのローンを比較できます。
上のローン3とローン4の各種条件を入力し、試算結果が表示されたらグラフの辺りまでスクロールします。
ワンポイントアドバイスの下に【APR】がありますので、「APRを表示する」をクリックしてください。
金利に置き換えると、ローン3が1.476%、ローン4が1.413%になっていますね。

APR

やはり金利の違いが総返済額に大きな影響を与えますが、諸費用の違いによってトータルコストが変わることがご理解いただけたかと思います。

複数のローンを比較する際は、ぜひ諸費用も含めてシミュレーションしてくださいね。