住宅購入時の頭金、どのくらい用意すれば良いか悩みますよね。

一昔前は、頭金は物件価格の2割必要という話が良く言われていました。一昔前どころか、今でも諸費用を入れて3割などと言われることもあります。

なぜなのでしょうか?
これには2つ理由があるんですね。

頭金が2割必要と言われる理由

1.高金利時代の遺物

バブル期には住宅金融公庫(現住は宅金融支援機構)からの融資が物件価格の8割まででした。
だから2割は自己資金として用意する必要があったのですが、今では100%でも貸してくれます。
ただし9割以下と9割超では金利が違います(団信込みで+0.44%)ので、フラット35を検討しているならできれば1割は用意したいところです。

2割求められることはレアになってきましたが、頭金を1割以上用意すると、審査での評価が高くなって金利優遇を受けられる金融機関もあります。

2.業者のコスト

新築住宅には、不動産業者の利益やコストが2~3割含まれています。
そのため、転居などで売却が必要になったり、返済が苦しくなって売らざるを得なくなった際に「ローン残>売却額」とならないよう、頭金を入れようということです。

これはどういうことでしょうか。

新築住宅は、引き渡しを受けた直後から中古住宅になります。
中古住宅としての流通価格には、業者の利益やコストは載っていません。
ですので、その分(=新築プレミアムと言います)がはがれ落ち、物件の引き渡し時点で市場価格に近づくのです。

買った価格から2~3割下がるということは、例えば2,500万円で建てた建物の場合、1,750万円~2,000万円になってしまうということになります。
マンションでも同じ、6,000万円の新築マンションは4,200万円~4,800万円になるということになります。不動産価格が高い今、特にマンションではそこまで下がってはいませんが、新築プレミアムがなくなって価格が下落するということは起こります。

返済がすすめばローン残高も減っていきますが、建物も時と共にどんどん価値が下がっていきます。もともとローンが多ければ、いざ売ろうと思った時も「ローン残高>売却額」となってしまう可能性があるのです。売却代金を返済に充てても残ってしまったローンは、現金一括払いが基本です。

新たな物件を買う場合、売却しても残ってしまったローンを新たなローンに上乗せできる銀行もありますが、基本的にはできないケースの方が多く、仮にできたとしても今度は新たなローンが膨らんでしまいます。

ということは、やはり頭金2割は正解でしょうか?
実はそうではないんですね。

なぜかというと、頭金を入れることが重要なのではなく、返していける金額でローンを組むことが大切だからです。返していける金額は人それぞれ違いますが、将来の生活設計を踏まえて返済計画を考えることが大前提ということでは、皆同じです。

いくらの頭金を用意すれば良いのか計算する

まずは、どのくらいの返済額が無理がないのかを把握しましょう。
以下を参考にしてください。
返済額から考える無理のない住宅ローンの返済額

把握できましたでしょうか?
購入後の住居費を引いて、12万円が妥当な金額になったとします。
金利は全期間固定で1.5%程度、変動なら2~3%で見るのが妥当です。
毎月返済額から計算する借入可能額
そうすると、借入額は1.5%では3,983万円、2%では3,623万円、3%では3,118万円になります。

変動金利はメガバンクでも0.625%などで借りられるのに、なぜ2~3%なのでしょうか?

毎月の返済額が12万円の場合の借入上限を金利0.625%で計算してみると、4,526万円になります。これでは返済負担率がかなり大きくってしまい、返済が苦しくなる可能性が高いです。

現在、全期間固定金利で借りる場合は1.5%前後になります。実際には固定金利で借りず、変動金利か期間固定金利で借りる人が多いのが現状です。

たとえば3,623万円を0.625%で借りた場合、毎月の返済額は9.6万円になります。12万円との差額2.4万円は、35年間の金利上昇リスクに備え、最低限確保していく必要のある資金の目安になります。

無理をせずに返していける借入額の上限が3,623万円とわかりました。
ではあなたの欲しい物件はどの位の金額でしょうか?
たとえば4,800万円の中古マンションが欲しいと思った場合を見てみましょう。

頭金以外にも、諸費用(新築マンションは物件価格の3~5%、中古マンション5~7%、新築戸建て10%、中古戸建て6~10%程度)が必要です。

4,800万円+288万円(諸費用6%)-3,623万円=1,465万円(頭金)
なんと頭金2割どころか、3割も必要です。

頭金と諸費用を支払ったら手元の貯金がゼロ、というのはいけません。引っ越しや家具代、不測の事態に備える意味でも少なくとも200万円程度か、6ヵ月分程度の生活費は残すのが正解です。

その意味では、貯金が2,000万円もあればこの物件はOKです。あるいは両親からの援助が500万円あれば頭金は965万円でOKとなります。ただ、毎月の返済額12万円が妥当な金額ということからすると、この物件価格そのものが高いということになります。

では、4,000万円の中古マンションならどうでしょうか?
4,000万円+240万円(諸費用6%)-3,623万円=617万円(頭金)
頭金は15%で、貯金も800万強あればOKということになります。

頭金の金額よりも重要なこと

もちろん、今後の昇給を見込んだり、近々確実に収入が上がるとか、子育てが一段落して奥さんが復職して世帯収入が増える場合などは、もう少し頭金が少なくても大丈夫かと思います。そうすれば、適正な毎月の返済額がUPするので、住宅価格の予算も上がるでしょう。

夫婦でローンが組める場合はこちらもご参考にどうぞ。
夫婦で組む住宅ローンは共働き世帯にお得?

頭金は家計から考えて無理なくきちんと返済できる金額から考える」ということがとても大切で、必ず2割用意する必要はないということになります。

一方で、頭金に充てられる現金がまったくない家庭は、家計に問題がある可能性が高いので、時間がかかっても頭金を準備するべきです。そのためには家計をしっかり管理し、貯金する習慣を身に着けることが大切です。

こちらも参考にしてくださいね。
家計の見直しがマイホームの購入予算を上げる理由