今は共働きが一般的です。
夫婦どちらかの収入でローンを組むのではなく、家計を支え合っている夫婦がそれぞれお金を出し合い、2人が協力してローンを組むことも有力な選択肢ですよね。

主な方法は、収入合算と夫婦ペアローンです。この2つ、実は細かいところで違いがあります。
ポイントを見ていきましょう。

収入合算とペアローン

夫名義で住宅ローンを借りるとき、妻に収入がある場合は妻の収入を合わせることができます。
これが「収入合算」で、夫の収入に妻の収入をプラスして借入額を増やすことができます。ただし、プラスできる金額は金融機関によって異なります。妻(配偶者)の年収を100%プラスできる金融機関もあれば、50%までという所もあります。プラスする金額が50%を超える場合は借入期間が短くなるケースもあるため、あらかじめ確認してくださいね。

収入合算の場合は、借人の名義は1人になりますが、「ペアローン」は、夫婦2人がそれぞれの名義で別々にローンを借ります。この場合も2人の収入を合わせることで借入できる金額は増えますが、契約は2つに分かれます。

メリットと注意点

2人でローンを組む最大のメリットは住宅ローン控除です。共働きの場合、夫婦ともに所得税・住民税を支払っていると思いますので、それぞれの税金が戻ってきたら家計にメリットがありますよね。
夫婦がそれぞれ住宅ローン控除が受けられるのは、収入合算で連帯債務(注)になるケースと、ペアローンで借りるケースです。

収入合算で借りる場合、フラット35や財形住宅金融では夫婦が連帯債務者となるため、それぞれの持分に応じて住宅ローン控除が受けられます。
例えば、3,000万円のローンを組む場合で、所有権の割合が夫7:妻3の場合は、住宅ローン控除額は最大で夫2,100万円の1%、妻900万円の1%になります。

一方で民間銀行では妻が連帯保証人となるケースがほとんどで、この場合は住宅ローン控除を受けることができなくなってしまいます。この場合、夫婦が別々にローンを組むペアローンを利用することになります。

夫婦で住宅ローン控除を受けようと思ったら考えないといけないことがあります。
住宅ローン控除はその年に支払った所得税や住民税が返ってくる制度です。当然、所得税や住民税を支払っていない場合は対象にならないということになります。

夫婦で住宅ローンを組み、妻が出産のために仕事を辞め、収入がなくなった場合どうなるでしょう?
もちろん妻は、住宅ローン控除を受けられません。
夫の収入が十分ある場合や借入額が大きくなければ、夫だけでローンを組んで住宅ローン控除を受けた方がより多くの還付を受けられるケースがあります。
夫婦で住宅ローン控除を受けようと考えている場合、今後の働き方も考えてくださいね。

このほか、登記するときも注意が必要です。夫婦がそれぞれ資金を出す場合は住宅も夫婦の共有名義になります。そのため、資金の負担割合に合わせて住宅の持ち分を登記しなければなりません。そうしないと、夫婦どちらかの一方から贈与があったとみなされ、払う必要のない贈与税が課されかねません。

夫婦で借りる場合の団信

ペアローンの場合、それぞれが団信に加入することができるため、万が一のときでも他方のローンを負うことはありません。
ただし連帯債務の場合は、主債務者のみが保障の対象となります。連帯債務者に万が一のことがあっても保障されません。これはどういうことでしょうか?

例えば夫が主債務者で妻が連帯債務者となる場合、妻の保障を見直す必要があります。フラット35の場合は、保険料は高くなりますがデュエット(夫婦連生団信)を利用するとことで、どちらかに万が一のことがあった場合に、住宅の持ち分にかかわらず残りのローン全額が返済されます。例えば3,000万円のローンを1,500万円ずつ負担していて夫に万が一の事が起こった場合、妻の1,500万円も返済の必要がなくなります。

ローンの組み方によって、万が一のときへの備えも変わってきます。夫婦で資金を出し合って住宅を購入する場合、夫婦の保険が適切な保障内容となるよう、見直すことも必要になってきます。

計画性を持ったローンが大切

夫婦でローンを組むときに注意したいポイントは、出産による妻の働く環境の変化です。借入可能額が大きくなるメリットがある一方で、返済に支障をきたさないようにしなければなりません。産休後1年以内に復職するのか、あるいは子どもが小学生にあがるまではパートで働くのかなどですね。

夫婦ペアローンの場合は、収入が減った妻のローンを夫が負担すると、贈与があったと指摘される可能性もあります。
夫婦で協力して住宅ローンを組む場合、借り過ぎて返済が苦しくならないよう、予め返済計画をきちんと持っておくことが大切ですね。