史上最低レベルの金利がずっと続いています。

そんな中、将来の金利上昇を予測して全期間固定金利で借りる人も増えてきました。一方で変動金利で借りる人も5割以上と、高い水準で推移しています。

変動金利の低い金利で借りられれば、返済負担はかなり少なくなります。
ただ、金利が上がってしまったときに返済負担が増え、結果として固定金利の方が負担が少なかったということも気がかりなところです。

そこで良く考えられるのがこれです。
低金利のメリットを取るために当初は変動金利で借り、金利が上がってきたら固定金利に乗り換えるという作戦。
果たして効果があるのでしょうか?

住宅ローン金利の仕組み

結論から言うと、実はあまり効果はありません。

なぜなら、変動金利より先に固定金利が上がるからです。

少し難しいですが、変動金利は日銀がコントロールする政策金利に、固定金利は長期金利(10年国債の金利)に連動します。長期金利は市場によって決まるの先に動き、その動きや経済状況をみて日銀が政策金利を決めるのです。

つまり、2つの金利が連動する金利が異なっているのです。
難しいことはさておき、固定金利→変動金利の順で上がっていくことはぜひ覚えておいてください。

返済額はどのくらい上がるのか

それでは、実際どの程度返済額が上がるのか試算してみましょう。

以下の条件で住宅ローンを借りているとします。
・借入額4,000万円
・返済期間35年
・変動金利0.625%
・元利均等返済、ボーナス返済なし
当初の毎月の返済額:106,059円

5年後に1%上がって1.625%になったと仮定すると、毎月の返済額は122,225円になります。

「今後も金利が上がり続け、返済額も上がっていくと家計が厳しくなる!」と考え、固定金利への変更を考えたとしましょう。

最初に書いた通り、固定金利が先に上がっていますので、借入当初の低い金利で借りることはできません。当然、今の変動金利よりも高い金利で借りることになります。

借入当初の固定金利は以下のとおりだったと仮定します。
5年固定0.7%、10年固定0.8%、20年固定1.25%

変動金利が1%上がっていれば、ほかの固定金利の金利も上がっています。
どのくらい上がるかはその時の経済状況や金融機関次第なのでわかりませんが、同じく1%上がったと仮定します。

変動金利から10年固定へスイッチしたとすると、金利は同様に1%上がり、1.8%になったとします。
この場合、返済額は125,201円になります。
変動金利のままにしておく場合に比べ、2,976円返済額が増えてしまいます。

やっぱり事前に資金計画

しかし、このまま変動金利にしておくと更に返済額が上がってしまうかもしれない。
かといって固定金利にすると返済額が大きく増えてしまいます。

このような事態でも冷静に対処するためには、事前に資金計画を立て、家計の資金繰りを把握することが不可欠です。

特に、変動金利での住宅ローンを検討する場合、金利が上がったときにどの位返済額が上がり、そしてどの程度までだったら払っていけるのかを把握することが大切です。

それを予測し、住宅費用として色分けして貯蓄していくのです。

頭金を払っても貯蓄がたくさんあるとか、世帯収入が高いなどの返済余力が高い人や、借入額が少ない人は変動金利でも問題ない場合も多いです。そうでない場合は、この予測なしに金利上昇リスクの高い変動金利を借りることは避けて欲しいと思います。